『西洋の敗北』を読んだ
『西洋の敗北』という本を読んだ。
西洋の敗北 エマニュエル・トッド https://www.amazon.co.jp/dp/4163919090/
西洋の没落と、その西洋側が悪し様に言ってきた残りの世界、特にロシアの健在を述べている本。
あまりない視点が得られて面白かったが、自分的にはこの本が言いたかった事とは違う考えを思いついてしまった。
それは先に言ってしまうと「日本のオタクIPはこれから世界で、特に西洋ではもっと受容されるのではないか」というインスピレーションなのだが、そこに至るまでの材料の話をしたい。
まず、この本が言っている西洋の「敗北」の原因として、宗教の凋落がある。 今までなぜ西洋が勝ってきたかと言えば、それは民主主義と資本主義に邁進したからだ。 そしてなぜそれらが成り立ったかというと、キリスト教プロテスタントという宗教のおかげだった。 この宗教が育む倫理観、道徳観によって駆動する人々が、民主主義と資本主義の制度を支えたのだという。
そして、それが今や失われているということ。 たとえば日曜日の礼拝に行く人は統計的に減っており、牧師を目指す若者も減っている。 著者がターニングポイントとして挙げていたのは2010年代半ばで西洋各国が同性同士の結婚を法的に認めたことで、 これは本来キリスト教ではあり得ないことだという。キリスト教プロテスタント的な道徳観を背負って生きる人が少なくなっている。宗教が薄められている。
おそらく、アメリカにしろキリスト教が無くなりはしないだろうが、いずれ葬式の時に思い出したように儀礼として使うだけの宗教になるのではないか? そんな風に思った。
そこで、宗教が薄い国というと、日本がある。日本は仏教っぽい家の人が多いが、実際は冠婚葬祭の節目でしか扱われない。葬式仏教と言われて納得する人も多いだろう。
つまり、西洋人のメンタリティは、日本人に近付いていく。こと宗教においては。
じゃあそれが何を意味するのか?冒頭の話に戻るが、日本にはオタクが多い。なぜそうなるかというと、宗教という信ずべき世界観がないため、それ以外の何かに染まりやすく、アーティストの打ち出す世界観や2次元の世界観の信者になりやすいのではないか。
この仮説が正しいとすれば、宗教という信じるべきものを失った西洋人が、オタクIPに染まっていくということが十分に考えられるのではないだろうか。だから、日本のオタクIPというのは、今後ももっと世界に広まっていくと予測する。
なんだか仮説に仮説を重ねたような話だが、ここは適当なブログなので、そこはご勘弁を。